【深堀りアンケート】線香花火は東西で2種類あり!薄れゆくエリア性…東西の文化の違いは現代に残っているのか!?
2022年記事全国
この記事は2022年花火特集のものです。最新トピックスはこちら
コロナ禍で手持ち花火の人気が上昇している。そこで今回は、数ある手持ち花火の中でも、もっとも馴染みがある線香花火をテーマにアンケートを取ってみることにした。紙のこより状のタイプと細い竹の棒状のタイプ、2種類あることを皆さんはご存知だろうか?調べていくと興味深いことに、地域による認知度の違いや、年齢層による違いもあるようだ。その裏付けを取るためにも、全国各地にユーザーがいるウォーカープラスにて、読者1713人を対象にしたアンケートを実施。線香花火の形状における認知度のエリア特性を解明していこう!(※集計期間2022年6月17日〜6月26日 結果のパーセンテージは小数点以下切り捨て)
東日本の線香花火は紙のこより状、対して西日本の線香花火は…?
先に述べた通り、線香花火には「紙製のこより状」と「細い棒状」の2種類が存在する。現代では紙製の方が有名だが、実は線香花火は、米どころでワラがたくさんあった関西地方で生まれ、当初はワラの先端に火薬を付けた『スボ手牡丹』という"棒状"のものが始まりと言われている。それが関東に伝わった際、米作りに比べて紙すき業が盛んだったことから、ワラの代わりに紙で作られるようになり、紙製のものが生まれた。当時は、「西日本=細い棒状」「東日本=紙のこより状」だったのだという。
昭和の時代に入り、大量生産された中国製の花火が多く出回ったことにより、現代では地域性は薄くなってきた。しかし、東日本と西日本で「線香花火」に関する地域がどれほど出るのか、“東西の文化の違いが残っていてほしい”という想いも込めて、アンケートを取ってみた。
その結果、残念なことに東日本だけでなく、やはり西日本でも「紙製のこより状」が一般的なイメージとなっていることが判明。ただ、東日本に比べ、西日本エリアは「細い棒状」と答えた人たちの割合がかろうじて多いことが判明!線香花火が生まれたルーツをほんの少しだけ垣間見れる結果となった。
さて、細い棒状の線香花火は、現代の認知度においてやや劣勢に立たされているが、その原因は「昭和の時代から安く販売する中国製が台頭し、国内で製造する花火業者が姿を消したため」だという。その事実を受け、次は年齢別での認知度を見てみることにした。「線香花火と聞いて最初に思い浮かべる形状は何ですか?」という質問に対し、「細い棒状」と答えた人たちの年齢層を見てみた。すると、40~60代以上がボリュームゾーンで、昭和に子供時代を過ごしてきた人が多い結果が見て取れ、棒状の線香花火が辿ってきた歴史を裏付ける結果となった。
江戸時代から昭和の頃まで、東西で種類が二分していた線香花火。インターネットが発達し、流通はどんどん便利になり、外国製の商品も安く手に入るようになった。人々の暮らしが豊かになっていく反面、モノづくりの文化のエリア性が薄れていることが寂しくも感じる。
今年の夏は、西日本エリアの人はもちろん、東日本エリアの人も、細い棒状の線香花火を見かけた際は、線香花火のルーツに想いを馳せて、楽しんでみてはどうだろうか?
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